【千と千尋の神隠し】
10歳の女の子、千尋は引っ越しの途中で両親と不思議なトンネルに迷い込んでしまう。
その先に広がっていたのは神様が訪れるという湯屋で
千尋は現実世界に帰るべく奮闘する宮崎駿監督作品。
興行収入300億円を超え、歴代一位に輝くアニメーション作品なんですが
この映画、昔はそこまで面白いと感じなかったけど
今見るといい映画ですね。
一体何を目的としてるのかが分からなかったけど
最初は挨拶もお礼も言えなかったドジっ子の千尋が
ハクや釜爺、リンに助けてもらいながら働くことを通して
段々と成長していく様は見ていて面白い。
最初と最後の方じゃ千尋の顔が全然違いますからね。
挨拶や謝ることも自然とできるようになってるし。
冒頭の段々夜になっていき、提灯に灯が灯り得体のしれないものが見え始め
神様たちが次々と現れるところはちょっとした恐怖を感じます。
えらい所に来てしまった感が半端ない。
ハクにカオナシ、湯婆婆、坊、カエルなどキャラクターが立ってて
ワッ!ギャッ!ってリアクションや階段を駆け下りる時の手も可愛く
飯や湯屋の色も鮮やかで見ていて飽きないのがいいわ。
親の性格は腹立つけど。
特に母親の千尋への無関心さ。
これも現代社会を表したものなのかね。
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この作品って裏テーマがあるらしい。
舞台は湯屋ですが実はこれ風俗であり千尋はそこで働く嬢なのだとか。
確かに本名ではなく千という源氏名を与えられ
入浴の手伝いをさせているのはモロそうなんですよね。
よく見ると入浴の世話をしているのはみな女で神様は全員男。
この辺から出た都市伝説らしいですが宮崎駿監督自身もインタビューの中で
日本はすべて風俗産業みたいな社会になってるじゃないですかと発言。
そう考えると裏にその設定があるんだなと。
最初に車に乗って猛スピードを出して道に迷うシーンがありますが
実はあの時点で事故にあって瀕死の状態になっていて
三途の川を渡り、神がすむ世界に行ったとの噂も。
川ってのは最初の「川を作ろうとしていたんだね」ってところかね。
実際に銭婆の所へ行くとき、死後の世界のような駅があるし
行くのは片道切符ってだけってのが。
その他にも千尋が現実世界に帰ってこれたのは
千尋が契約書に名前を書くシーンで「萩野」の火のところが犬になっていて
ここで名前を間違えたから千尋は帰ってこれたらしい。
湯婆婆に本当の名前を教えてはいけないと言われるシーンがあり
千尋は完璧な契約をしなかったから帰ってこれたとか。
こんなところなんて普通に見てたら絶対に見逃すわ。
実際に都市伝説の話も見てから知ったし。
最後に千尋が振り向きかける瞬間にハクは契約違反で八つ裂きにされたとか
色々な都市伝説があり、そんなことを分かった上で見ると
また違った映画になるのかなと思います。
現実世界に戻ってきた時、車が荒れまくってかなりの時が経っていたことが分かりますが
あれって何年くらいたっていたんでしょうね。
ホコリが溜まるくらいだから相当だと思うけど・・・
神隠しにあい、戻ってきたはいいがかなりの時間が・・・
沼の底に行くときの海の上を走る列車にいた顔の見えない車掌や影たち
駅ですれ違った火垂るの墓の節子にも似た誰かを待つ少女などと同じように
考えるとゾッとしてしまいくらい怖いわ。
ただの成長物語じゃなく、奥が深い設定が入ってるのがこの映画のいいとこだな。
面白かったです。
★★★★★★★★★★
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