メッセージ　感想

【Arrival】

世界各地に謎の宇宙船が現れ、言語学者のルイーズ、物理学者のイアンが
アメリカ軍大佐のウェバーたちと調査するため宇宙船に乗り込む。



微妙に難しかったと言うか、色々気になる点が多かったですね。

世界各地に宇宙船が突如現れるやつって大体、ドンパチが始まって
科学力で劣る地球人が知恵でカバーして勝つ！ってイメージですが
こちらはじっくり異星人とコミュニケーションをとり、一歩一歩進めていくという形が良かった。

その異星人との接触で早く答えを出そうとする軍に対し
オーストラリアに始めて上陸した際、先住民のアボリジニーに
袋に赤ちゃんを入れた動物を見て、あれは何かと訪ねたらカンガルーと答えた。
しかし「カンガルー」とは「理解出来ない」という言葉であり、その動物がカンガルーではない
きちんと理解しあわないと対話は出来ないと諭していたのになるほどね～と。

確かに言葉の取り違えで失敗するケースなんて日本人同士でもあることだし
ましてや異星人とのコミュニケーションなんて一歩間違えば恐ろしいことになりますからね。

それを分かりやすい形で説明したのが良かったです。

作中でも都市伝説といっていたけどその言葉で軍関係者も納得したのですが
「その後、先住民は侵略を受けた。」と返したのにゾクッとした。

相手は重力をコントロールし地球にまでこれるか学力を持った種族ですからね。
友好的かどうかだって分からないし、いつ牙をむくかも分からない。
侵略を受ける可能性だってあることを心のどこかで思ってなきゃいけないなと思いました。

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接触していた宇宙人は足が７本もあるタコ型？イカ型？で声も言語と言うより鯨の泣き声に近く
それでよく地球まで来れる科学技術を持ったなと言う印象。

文字も手から墨みたいなモヤを出し、円形を作ってその周りの形で作ると言うもの。



これは表義文字と呼ばれるものだそうですが
文字と言うより１つの丸の中にすべての言葉が詰まってるって感じ。

あの形の中に色々な情報が入っているようですが
こいつら自身、細かいコミニケーションをどう取っているのだろうか。

鯨みたいなボーボエーっていう鳴き声で種類があるように思えなく
見た目もインデペンデンス・デイの宇宙人のような軟体でグロテスク
とても高度な文明を持った生物とは思えない。

１個の丸の中にすべての情報が詰まってると言うのは斬新だなと思ったけど。

高度な文明で言うと主人公が言語学者でまず異星人の言葉を理解することから始まり
色々とコミュニケーションをとろうとするのですが
個人的に思ったのはなぜこちらが理解する側に回ってるのかなと言うこと。

正直、重力をコントロールでき、科学力も遥か上の異星人に対して
ずっとこちらが解読する側に回っていたのに違和感を感じました。

ルイーズのおかげで解読した後に地球人を救いにきたと分かったのですが
じゃあお前らが地球の言葉を理解するように努力しろよって。

しかも救いに来た割には世界各地に点在し、メッセージを出していたなんてまどろっこしい事を。

最初から英語なりを勉強し、はっきりつ地球人に伝えればよかったのに。
遠まわしな事をするから中国やロシアなど好戦的な国や人が
武力行使に踏み切ろうとするんじゃん。

なぜヘプタポッドと名づけられた異星人は
１８時間おきに空中に浮いている宇宙船の下層部を開き
コンタクトをとるというコミュニケーション方法を取っていたんでしょう。

まるで人類が自分たちの言語を理解し、メッセージを受け取れるかどうか試していたかのような。

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そのメッセージと言うのがルイーズらに教えたヘプタポッドの表義文字であり
その言葉を理解することで彼らと同じ感覚で時が理解できるようになり
未来を見通すことが可能になるんだとか。

３０００年後にヘプタポッドの文明に起こる危機に協力してもらうため
その見返りとしての贈り物だそうですがこの辺がいまいち分からない。

未来を見通せて３０００年後に起こることが確定しているのであれば
人類に助けを求めなくても自分たちの科学力で何とかなるんじゃないの？

３０００年後なんて地球だって科学力がまるで違うものになっているだろうし
３０００年前の人類に未来を見通せる力を与えても意味ないような。
その悠久の時の中でこの教えてもらった表義文字が残ってる可能性だって少ないし
３０００年後にはおとぎ話になるレベル。

人類にしか出来ないことというなら分かるけど、３０００年後に役に立てるかどうか。

そもそもヘプタポッドの表義文字を理解したら未来が見通せると言う認識だけど
彼らと接触する前からルイーズが未来の子供の夢を見てみたのは何なんだろう。
冒頭からそんな映像をフラッシュバックさせていたけど
あれは単純に映画の素材として挟んでいたのかね？

表義文字を理解すれば感覚的に未来が見通せると言うのにいまいち納得はできてないですが
２回見た方がより理解できるかもしれない。

後、ルイーズは徐々につき始めていた未来を見通す力で
未来の自分が書いたヘプタポットの言語を見ながら今の文字を解読するんだけど
このやり取りはドラえもんの中にあったフニャコフニャ夫先生を思い出した。

フニャコフニャ夫作の漫画ライオン仮面を待ちきれずに未来で見てきたドラえもんが
物語に行き詰まっている現在の作者に次週の掲載分を教えるというもの。
無理くりおしし仮面が誕生したのが脳裏に浮かんだわ。

まあそれはいいとしてこの縦長の米粒みたいな宇宙船が公開時に話題になってましたよね。
スナック菓子のばかうけそっくりだって。



実際、話題になったため監督もばかうけに影響を受けたなどジョークを飛ばしたり
公式で栗山製菓とコラボポスターを作ったりと
本作の内容とは関係ないところで盛り上がっていました。

このせいでもっと単純な宇宙人ものかと思っていたら意外と難しくてあれだったけど
SFじゃなくリアルに近い作風が良かったと思います。

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