【さや侍】
ある出来事がきっかけになって刀を捨て鞘のみを持つようになった
脱藩浪人・勘十郎の生き様を描いた松本人志監督作品。
主演は野見隆明なんですが松本人志になじみのない方には
どこのおっさんだよって感じですね。
俺はその番組を見て知っていたので主演すると聞いた時はびっくりしました。
この方、深夜で放送していた働くおっさん劇場に出ていた一般人の方で
松ちゃんが面白おかしく指示を出して、その様を見るだけの番組なのですが
かなり面白いです。
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おっさん劇場の中では松ちゃんに指示されていろいろやらされてましたが
その劇場版って感じでしたね。
罪人の野見は１日１ボケを３０日間行い
その間に笑わなくなってしまった若を笑わせないといけないのですが
真剣にやるおっさんが面白かったです。
終わって部屋に戻ると娘がその都度、ダメ出しをするのですがそれが面白い。
つまらんとすぐに自害しましょっていうのも。
あれが出来たところでどうなのですか！とか面白いフレーズも多かった。
３０日の行で面白かったのは果物を目にしたやつと火の輪くぐりは良かったですね。
ただ、後半になるにつれて小技ではなく大がかりなものを使うので
笑うというより感心してしまうって感じでした。
あの時代では新鮮ではありますが。
少し気になったのは途中娘が呆れてこもってしまった後
見張り役の２人とネタを考えて、若様に出してを何日か繰り返し
その後、板尾の煽りで娘を引っ張り出すシーンがあったのですが
煽った日は気になって覗いていたけど
その何日かの間のシーンでは娘は一切出てこなかったんですよね。
そこは呆れつつも段々父親が気になって練習してる声を必死で聞こうとしたり
ちょこちょこ覗いてるシーンを挟んでもよかったんじゃないかと素人ながら思いました。
最後はちょっと衝撃でしたね。
まさか自害するとは思いませんでした。
切腹という緊張の中で一番わかりやすい屁で緩和させ
若がみんなの前で笑ってワー！ってなり終ると思っていたので
いきなりズバーッて自分の腹を刺したときは、え！？って。
その後、介錯人を止めたのでここから何かするのか？と思ったけどそれもなく
再度振り下ろされてそのまま。
笑いのために短い期間を必死で生きて、笑わせる事が出来なくなったら死を選ぶ。
まるで芸人の人生を見てるかのような感じがしました。
まあそれはいいとして、その後の坊さんのさや侍から預かった手紙は良かったのですが
途中あれを何で歌ってしまったんだ。
普通に父から娘への手紙を読んでいる最中、歌い始めたのにびっくり。
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映画を壊したいってのはあるのだろうけど、あそこは普通に読んでほしかったです。
普通に読んで、その後エンディングでその手紙の文章の歌を歌えば
あ、これさや侍が子供にあてて書いた手紙じゃんってなれたのに。
そこはちょっと違うかなと思いました。
その後、エンディングに入りテロップ後の大オチは好きです。
２人ともいい笑顔でしたね。
野見さんの演技は悪くなかったというか
全然違和感なく見れたのでよかったと思います。
いい意味で絵面が汚く、その時代に生きた普通のおっさんって感じがしてすごく良かった。
松ちゃんの映画だと分かるとまずいので
映画の撮影だということも監督が松本であることも知らせずに
野見さんを映像として残すDVDソフトの製作と偽って
台本も渡されないままで撮影していたらしいですね。
用意されたもので必死に目の前の人を笑わせようとしていたらしい。
そのひた向きさがよく出ていたんじゃないかと。
娘役の熊田聖亜ちゃんと柄本明の息子柄本佑は演技がうまい。
板尾さんもよかったし、野見さんの周りにいる人たちがしっかりしていたので
素人のおっさんが主演でも普通に見れました。
でも面白かった部分とそうでない部分が分かれてるので
評価的にはそこまでではないかな。
最初、二丁拳銃のパキュンに頭を撃たれた奴には笑いました。
★★★★★☆☆☆☆☆
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